転職を有利に進めるためには介護系のキャリアを構築しておくことが重要です。予め客観的に能力があると示せるキャリアを作っておくことが肝心ですが、どのような準備を進めておいたらスムーズに転職できるのでしょうか。
無資格でも転職可能な現状と実態
介護業界では人材の不足が著しいことや現場の仕事の多くに関して特別に資格がなくても従事できることから無資格であっても転職をすることは可能です。
求人も豊富にあるので自由に職場を選ぶことができ、現場経験が少しあればむしろ引く手あまたになっています。しかし、このような現状があっても転職によってメリットを生み出せるかどうかは話が別です。未経験であっても受け入れる現場が多くなっているのはあくまで人材が不足しているからであり、給料などの待遇は決して高いわけではありません。
能力があって即戦力になる人材であれば高い待遇で迎え入れてもらえるため、十分にキャリアを作り上げてから転職しないと大きなメリットを生み出すのは難しいのが現状です。そのため、転職をして給料を上げたり、勤務条件を有利にしたり、やりたい仕事に従事できるようになったりしたいと考える場合には客観的に示せるキャリアを計画的に構築することが重要になります。
最初の職場で目指しておくと良いもの
介護士が最初の職場で働き始めてから目指しておくと良いキャリアとして代表的なのが介護職員初任者研修の修了です。
地方自治体によって指定されている養成機関で講習を受けて筆記試験に合格すれば修了することができます。特に受講するための資格や経験は必要とされないことから、これから介護士になりたいと考えている人でも、まだ現場に出てきたばかりの人でも受講を始めることができます。
介護職員初任者研修を受けてあると、施設側の認識としては介護士としての基礎ができていて研修や教育を行わなくても一人前に働けると認識してもらうことができます。さらに余力があるのなら介護職員実務者研修も修了してあると転職に有利になります。介護職員実務者研修は介護職員初任者研修の上位に当たる研修として位置付けられているだけで経験などについての受講資格はないので誰でも受講することが可能です。
さらに筆記試験も実務を含めた講座を受講することによって修了することができます。介護職員実務者研修を終えている介護士は即戦力になると認めてもらいやすく、転職をすると待遇で優遇されることが多くなるのが魅力です。
三年以上働いたら取得しておきたい資格
最初の職場で三年以上働いたという場合には取得を考慮した方が良いのが介護福祉士の国家資格です。既に専門学校や大学などを卒業して養成学校などで教育を受けてきた人の場合にはいつでも試験を受験することができます。
しかし、そのような学歴を持っていない場合には現場経験を経て受験資格を獲得することができるようになっているのでタイミングを見計らって資格の取得を目指しておくのが賢明です。介護職員実務者研修を修了していることと、介護業務に三年以上従事していることが受験資格を手に入れるための条件として定められています。この二つの条件を満たす頃を目指して国家試験の勉強も進めておき、時期がきたら取得してしまうのが賢明です。介護福祉士の設置が介護施設では義務付けられるようになったため、資格を持っている人の需要が急激に高まりました。そのため、転職に際しては必ず有利に働くようになっています。一度取得したら一生使える資格なので、将来的に転職するかもしれないという程度の人も目指しておくと良いのが介護福祉士です。
周辺資格もあると便利
介護士の転職に役立つキャリアとして示せる資格は他にも多数あります。より上位を目指すのであればケアマネージャーや認定介護福祉士の資格を取得するのも良い方法ですが、実務に関連する資格を取得しておけばそれだけで魅力のある人材として見てもらえるので効果的です。
行動援護従業者養成研修を受けて知的障害者などのケアで活躍したり、難病患者等ホームヘルパーの資格を取得して難病になっている患者の介護を担えたりするようになると、該当する利用者がいる現場では欠かせない人材として高い待遇で雇ってもらえます。介護予防運動指導員や福祉用具専門相談員のように広い職場で活用できる資格もあるので興味に応じて周辺資格の取得も考えてみるのが大切です。
資格を武器にして転職するのが得策
介護士は無資格でも転職することはできますが、給料などの待遇を向上させられる転職のメリットを生み出すためには客観的に能力がある人材だと示せるように準備することが重要です。介護職員初任者研修を始めとして介護職員実務者研修を修了し、介護福祉士の資格を取得するのが王道として知られています。
これ以外にも周辺資格として様々なものがあるので、自分がどのような仕事に専門的に携わっていきたいかに応じて適切な資格を選んで取得するのが賢明です。介護現場で活用できる資格であればどのようなものであってもプラスになるので、躊躇せずに早期に取得を試みるのが重要になります。